待ち受けカノジョ。


「うへぇ~、やっぱこっちはアチィな!!昨日まで海の風に当たってたから、余計暑く感じるよ!」


手で顔をあおぎながら歩く滝山くん。


…驚いた。

さっきの、ホントに滝山くん?


あの、天然チャラ男の

隠れオタクの、

汚部屋の住人の、

若干S寄りスケベの、

あの、滝山くんと同一人物!?


「ねぇ、滝山くん」

「んあ?なんじゃい?」

「さっき…すごかったね」

「なにが?」

「いや、あの、工事の人と話してる時の滝山くんがさ」

「ああ!あれは“必殺!恭平マシンガン”だよ」

「キョウヘイマシンガン?」

「うん。父ちゃん、今までいろんな業者と戦って、あの技でねじ伏せてきたんだ。オレ、小さい頃からよく聞いてたからさ」

へぇ~、お父さんってスゴい人だ。


「じゃ、滝山くんもお店できるんじゃない?」

「はあ?オレはダメだよ。責任とかムリだし。だってオレ、将来は犬になりたいんだもん」

また出た、その発言!


「ホラ、あんなかわいい犬みたいにさ」

滝山くんは、携帯の角度を傾けてお散歩中の犬を見せてくれた。
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