待ち受けカノジョ。
「滝山君!お待ちしてました、どうぞ」

「クーッ!涼しいぃ!」

平石ん家はガンガンにクーラーきいてるからサイコーだぁ~


「あれ?ギラギラメガネは?」

「僕、コンタクトにしたんですよ」

ああ、ついにイケメン最終形態に。

「めくる部屋、行きますか?」

「うん!行く行くっ!」



まためくるちゃんに囲まれて、ヨダレに白目で半笑い状態のオレ。

「滝山君。これですよ、内藤さんのコスプレ写真」

フォトファイルを受け取り、パラッと開く。

「うわっ!」

友美さんの店で試着した時より、はるかに高い完成度!

そして、このモデル立ちとドヤ顔!!

「すごいですよね。たぶん会場の中で一番だったと思います。内藤さんの周囲にカメラ小僧があふれていましたから」

「こんなにハイレベルなら、そりゃ目立つだろうね~。オレでさえ本物かと思ってちょっとドキッとしちゃったもん」

「僕、内藤さんの専属カメラマン&荷物持ちとして1日中引っ張り回されましたけど、なぜか幸せを感じました」

平石の頬がほんのり赤くなる。

ん?なにその顔?


「そういえば内藤さん、卒業したら読者モデルになるそうですね」

「ああ、オレもその話聞いた。いいのかな?モデルになる子がこんなオタクイベントに参加してて」

「内藤さんは『それを売りにするんだ』って言ってましたよ」

「売り?」

趣味のコスプレが?

「『雑誌とは1年契約だから、その後何とかして生き延びるには、個性がないとダメ』って言ってました」

「ふ~ん、そうなんだ」

ちゃんと先まで考えてるんだなぁ。


フォトファイルの最後の写真は、めくるの代表ポーズ“いやん!またスカートめくれちゃったぁ!”だった。

やっぱり千夏のポージングは完璧。
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