待ち受けカノジョ。
ふと足を止めた。

視線を落とした先には、仰向けで転がっているセミ。


ジジジ…


力尽きた小さい声で、今にも息絶えてしまいそうだ。


奈緒がいなくなってしまったら…


いや!

ブルッと首を振って最悪の想像を消した。


いやいやいや。

そんな事は絶対に、ない!!


セミを踏まないようによけながら、ダッシュで走り出した。


オレが奈緒を元に戻してやらなくちゃ!
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