待ち受けカノジョ。
教えてくれよ、奈緒。

なんだよ、『私の名前』って。


わからないよ。


それに、オレ…

奈緒に言ってないよ。


大事な、たった一言。


『好きだ』って。


言いたかった。

言いたかったのに…!!



「戻ってくれ。オレのそばにいてくれよ。頼むから…奈緒…」


携帯にそっとキスをする。

唇に触れる、堅くて冷たい感触。


…あの日。

あの日、病院でキスをした奈緒の唇は、

やわらかくて

暖かかったんだ。


ハッ…!!


体。

今頃、奈緒の体は!?
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