待ち受けカノジョ。


カチャ

「あーサッパリした~」

お皿を持って戻ってきた滝山くんが、私の前にニュッと現れてニヤニヤしている。


「うまそーだろ?オレが作ったメシ!」

そうめん茹でただけじゃん。


「やっぱ夏はコレだよね~」

ズルズルと音をたてて、そうめんをすする滝山くん。


ってゆーか…

誰?この人。


こんな、サラリーマンみたいな七三頭の

分厚いレンズのガリ勉メガネの人なんて、

私知らないんですけどー!!


「あれ?ろした?ほんなビックリした顔して」

両方のほっぺたをパンパンにして、もごもごしながら話す滝山くん。


どんだけそうめん口に入れるんだよ!

「ああ、おろろいた?メガネ。出かける時はいつもコンタクトなんら!」

驚いたのはソコじゃないから!!


「ねぇ、滝山くんさ。家族以外、この部屋に入れたこと、ある?」

「ん~、そういえば、ないなぁ。家族も全然入んないしなぁ。…なんで?」


なんで?って!

「イヤ、なんでもないけど」

この人、この部屋が異常だってわからないんだね。


「そうか!奈緒が初めてだ!」

ニヤ~ッとスケベ顔丸出しで私に近寄る。

「どう?奈緒ちゃん。お年頃の男の子の部屋に入った感想は~?」


吐きそうです

とは言えない。


「お、男の子らしくて、いいんじゃないかな…ハハッ」


く、口がくさる!!
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