糖度∞%の愛【編集前】
ここまでするんだったら、いっそのこと言い訳も考えてくれればいいのに、なんて変なやつあたりをしてしまう。
今日クリーニングに出せば、もしかしたら落ちるかな。
そんなことを考えながらコートを丸めてカバンに詰め込んで、玄関に向かう。
こうなったら何を聞かれても“寒くないから”と言い張ろう。
決めた。
「なんでコート着てないんですか?」
案の定、エレベーターから降りた私を見るなり、少し眉をしかめてそう言った彼方に、「寒くないから」と予定通りの言葉を返す。
それでもやっぱり彼方は引き下がらない。
勘が鋭くて、どうしてそんなこと知ってるのって聞きたくなるくらいの情報網を持ってる彼方が、実は知ってるんじゃないかと疑いたくなるけど、彼方が切り出すまでは私も話すことはしない。