Do you love“me”?
「701号室。……こっちかな?」
おねぇーに電話をかけた数日後。
私は航太君に教えてもらった部屋番号を頼りに、病院内をウロウロしながら、稜君の部屋を探していた。
いきなり行くのは失礼だと思ったから、昨日一応仕事のあとに稜君に電話をかけたんだけど、やっぱり通じなくて。
一瞬「着信拒否!?」とか思ってみたけど、航太君が電話しても繋がらなかったという話を思い出して、それを聞いていてよかったなぁと、心の底から思ったんだ。
どうして人間って、恋をするとこんなにマイナス思考――というか、心配性になるんだろう?
……って、私だけなのかな?
一人で考えても埒のあかない疑問に首を傾げながら、独特な匂いがする、真っ白な廊下を歩く。
「……ここだ」
上げた視線の先には、多分特別室だと思われる、名前のプレートのない個室のドア。
その扉の前で立ち止り、一度大きく深呼吸をして、意を決し、ノックをしようと手を上げた瞬間だった。
「あんたもここんとこ、災難続きね」
目の前の部屋の中から聞こえたのは、女の人の声。
「うーん、確かに。でも、今回のは完全に俺の不注意」
それに続いて聞こえる、稜君の声。
「試合中なのに、ちょっと、考え事しちゃったんだよねー……」
「ふ~ん。珍しいわね。なに考えてたの?」
「……まぁ、色々と」
続いて聞こえたのは、ほんの少し口籠ったような、濁したような稜君の答え。
どうしよう。
上げていた手をそっと下ろし、出直して来ようと振り返った私の耳に、
「どうせ“例の子”の事でも考えてたんでしょ?」
笑いを含んだような女の人の声が聞こえて、思わず立ち止まってしまった。