Do you love“me”?

「おい、稜!! 暴走って何だよ!」

「だって、暴走じゃないですかっ!」

「暴走じゃねーよ! ちょっとだけ……出逢いのチャンスをだな!」

「だからぁー、最上さんの場合、その“ちょっと”が人よりデカイんですよー」

また言い合いを始めた二人がもうおかしくて、お腹を抱えて笑ってしまう。


最上さんに何だかんだと言いながらも、すごく楽しそうな稜君は、とても可愛く感じる。

航太君と同じ歳だから、一歳年下だもんなぁ。

どうでもいい事を考えながら、まだ続いている二人の漫才のようなやり取りを見ていた私。


「楽しそうに、なんの話しー?」

そんな私の後ろから、ひょっこりと現れたのは、おねぇーで……。


「美青ちゃん!!」

本当に驚くようなスピードで最上さんを放置した稜君は、キラキラした目で彼女に向き直った。


「最上さん、川崎君、さっきは受付ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げたおねぇーに、キラキラしたままの稜君が、嬉しそうに声をかける。


「美青ちゃんっ! すごいキレイだったよー!」

「いや……。なんか、もの凄く恥ずかしかったです」

年下で子供のようにはしゃぐ稜君に、おねぇーが敬語を使っているのは、昔の仕事の癖。

楽しそうに話す二人の姿を見ながら、私はさっきの最上さんの言葉を思い出していた。


“お前、美青さん大好きだもんなぁ”


それは、恋愛感情なのか、そうではないのか。

私にはわからないけど、航太君と稜君は仲良しで……。

もしもおねぇーに抱いているのが恋愛感情だとしたら、それはきっと凄く辛いんだろうなぁ。

無関係のくせに、そんなお節介な事をついつい考えてしまっていた。

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