Do you love“me”?



「……」

うーん。
これは、一体何だろうか?


ただいまの時刻は、夜十時。

私はベッドの上で、自分の携帯を眺めていた。

その携帯の画面には、何故かドアップのブタの画像。

多分……ミニブタ。


しかも、文章は

【その後、大丈夫ですか?】

その一言だけ。


「稜君、このブタは一体……」

今日は、ちょうど“最上事件”から二日経った木曜日。

謎の画像が添付されているメッセージの差出人は、稜君で……。


「うーん」

眉を顰めた私は、取り合えずベッドから起き上がり、階段を下りてリビングを抜け、お庭の犬小屋の中で入口にお尻を向けているバウに声をかけた。


「バウー? 起きてるー?」

もう夜も遅かったから、小声で話しかけた私に“くぅ~ん”と返事をしたバウは、どうやら動く気まではないらしい。


「バウー」

もう一度呼びかけてみたものの、もうバウは反応を示さないから……。

「仕方ないか」

小さくそう呟いた私は、携帯のカメラをバウのお尻に向け、パシャリと一枚。


そのまま部屋に戻って、少し悩んだ末、

【“敬語はナシ!”でしょう? あれからは、もう大丈夫だよ】

そう返信をして、高校の頃から買い続けているサッカー雑誌を手に取った。
< 41 / 397 >

この作品をシェア

pagetop