家出少女×俺様御曹司の偽装結婚ラプソディ*【完】
途中で涙が止まらなくなった。
翔にもうしわけなくて。
「…もういいから。どこにも、もうどこにも…いくなっ…」
苦しそうに、切なげに表情を歪める翔。
「ご、ごめんっ、ね…」
「…まぁ、詳しい話しは後で聞いて厳しーいお仕置きでも受けてもらおうかな?」
そういう声は声を潜め、多分このことはここにいる人にはあたしたち以外には聞こえていない。
……え。
いきなりブラック翔さんに戻ってるじゃないですかぁぁあ!!
「あぅえ?」
「なんつー声出してんだ、色気なさすぎ。」
「何言ってんの…!!ここは普通感動でしょ!?」
「あー…ゴチャゴチャうるせぇな。耳が痛い。」
「あんたね…っ、てうわっ!?」
うるせぇ、そう言った翔にはんろんしようとしたあたしはもう空中にいた。
正確には持ち上げられた。