家出少女×俺様御曹司の偽装結婚ラプソディ*【完】
もうすでにトイレ内には何人かの女の子たちが来ていた。
とてもじゃないけど、友達になろ♪なんて言える空気じゃなかった。
「高野さん。あんたいつまで待たせるつもり?」
「ご…ごめんなさい。」
その異様な空気に不安を憶えつつあたしは頭を下げた。
どうして怒っているの…?
あたし何かしたっけ?
数秒間沈黙が続いたあとにクラスのリーダー格の子がイライラした様子で、
「高野さんって海斗と啓太のドッチかと付き合ってんの?」
と聞いて来た。
「いや…そんなわけないです。付き合ってなんか…」
「ふーん…じゃあ、何で彼女でもないのにいっつも一緒にいるのよ?」
「それは…」
「あんたのこと名前で呼ぶし。」
もう高野さんじゃなくてあんたに変わっていた。