家出少女×俺様御曹司の偽装結婚ラプソディ*【完】
怖い…
感じたことのない女子の怖さに足がすくむ。
「あ、あたしと海斗と啓太は幼馴染なので…名前で呼びあっているだけです…」
「あんたバカなの?うち、もう一つ聞いたよね?」
「あ…えっと…」
「早くしろよ、このトロ女!!!」
「ひっ…」
何でよどうしてよ。なんでしゃべったこともない人に怒鳴られなくちゃいけないの。
嫌だ…!
「ごめんなさい…!」
あたしは、その場を逃げ出した。
「はぁっ…はぁっ…ひっ…」
漏れるのは嗚咽と呼吸音。
体力のないあたしは、海斗と啓太の待つ教室に行く途中で息がきれて。
呼吸が苦しくなると、足がもつれて。
「きゃっ…」
床に無様に転んでしまった。
その次の瞬間聞こえて来たのは
「キャハハハハハハハ!!!」
ー残酷な笑い声。