僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

僕達は暫くの間、言葉もなくじっと抱きしめあっていた。

冷たい僕の身体が弘美さんの温もりで少し温まりかけた頃、僕はやっと口を開いた。

「ただいま、弘美さん」

もう一度はっきりと、そう彼女に告げた。

「うん」

と、頷き顔を上げた彼女の唇に、僕は少しの躊躇もなく自分の唇を重ねた。

手から鞄がすり落ちる。

僕は更に彼女を引き寄せ、強く抱きしめた。

「あっ……」

と、何かを言いかけた弘美さんの口元を割って、僕は自分の舌を滑り込ませる。

貪るように彼女の舌に自分の舌を絡ませ、彼女がそれに答えるのを待って、彼女の肌に手を伸ばした。
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