僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?


それに追い討ちをかけたのは、夫の浮気。


手放しで喜んだ夫の出世だったけど。

夫の頑張りは、私に対するエールじゃなかった。

昇進の影に女あり、って本当にあるんだね。

介護疲れでやつれた本妻を尻目に、影で世話を焼く女がいたのだ。

彼女は彼の部下。

独身のキャリアウーマン。

仕事のできる女らしく、きっちりとスーツを身に纏い、それでいてどこか守ってあげたくなるような柔和な顔立ちの美人だった。


何でそんなことがわかるのかって?


だって、彼女は私の父の葬儀に、会社からの手伝いということで顔を見せていたから。

何食わぬ顔で。

後からそれが夫の愛人だと知らされた私は、その女の図々しさより、夫の無神経さに、ほとほと呆れて愛想が尽きたのだ。
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