青空ライン *Third Story*
Side:圭
「信じらんね…嘘だろ?」
急に抱き締めていた腕が重くなってきて
「杏!杏!」と呼び掛けていても当の本人はこの状態に気付かず
どこか違う世界に行っていて
…寝息をすうすう立てて眠ったまま。
「ったく、もう。
無防備過ぎんだよ。俺じゃなかったらどうするんだし。」
俺も俺で何やってるんだよ。
杏はまだ山下優が好きだってのに杏を困らせることをして。
でも我慢ができなかったのも事実。
もっとキスしたい。
もっと触れたい。
山下優に取られないようにこの腕の中に閉じ込めておきたい。
「はぁ…
本当に元の関係に戻りてぇ…」
杏のことが好きなら早く来いよ、優さん。
早くしないと本当に奪っちまうからな。
俺はやっとの思いで杏を背中にのせると学校とは違う反対方向に足を向けて家に引き返した。