空の彼方に
「おい、トーコ」

カナちゃんのことを考えていると、不意にそのカナちゃんがアトリエのある1階のテラスに顔を出した。

カナちゃんこと大久保彼方は、4歳年上の私の幼馴染。
カナちゃんの実家は小さいけれど、評判のある病院で当然カナちゃんもその病院を継ぐべく、お医者さんになった。

つい最近まで2年ほど大学を卒業してインターンで地方の病院に行っていたんだけど、ようやくこっちに帰ってきてくれた。

「具合どうだ?」

私がテラスの窓を開けて顔を出すと、カナちゃんは本物のお医者さんみたいに私の額に触れたり、舌を見たりして診察をしてくれる。

って、もう本物のお医者さんなんだよね。
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