Primo Amore(初恋)
「一緒に行ってくれるの?」

「いいよ」

慧くんはぶっきらぼうに言いながらも、私が持っていた大きなスケッチブックを取り上げ脇に抱えた。

あ・・・

「ほら、どこに行くの?」

「あ、えっとこの先の・・・」

とくんとくん・・・

心地よいくらいのドキドキが私の頬を熱くしていく。

もしかして・・・私・・・

「慧くん、ありがとう」

「あ?」

「それ」

私はスケッチブックを指差してお礼を言った。

「ああ、別に」

再び前を向いてしまったその横顔は少しだけ赤くなっているような気がした。
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