Primo Amore(初恋)
「どこに行くの?」

電車の中でも手をつないだまま、慧くんは離そうとしてくれない。

「秘密」

すっかり暗くなっていく空を見ながら、私は黙っていた。



「・・・ここ・・」

「うん、あれ、乗ろう」

慧くんが指を指したのは大きな観覧車で、すっかり日が落ちた遊園地はキラキラと輝くイルミネーションでまた違った姿を見せていた。

チケットを買い、ゴンドラに乗り込む。

本当は慧くんの隣に座りたかったけど、私は我慢して慧くんの向かい側に腰をおろした。

どんどん高くなっていく風景を見つめながら、慧くんは何も言わない。
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