時計兎
バイバイ
PM8:00

そろそろ屋敷を抜け出して、今日の寝所を確保しなければと彩夏は考えていた。

自室を出て階段を下り、家政婦達の目を盗みながら玄関に近づく。



初めての家出



異常なまでの過保護をうけていたからであろう。

家出はこの小さな小学生にとって魅力に満ち溢れた憧れだった。


彩夏自身も自分の鼓動を抑えられないでいた。

その好奇心で輝く彼女を止めることなど、もはや誰にもできない。
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