時計兎
序章(3)
――カチ




いつまでも余韻を残すように部屋中に響く乾いた音。





――何の音?






少女は怪訝そうな顔をする。
だが、
すぐ苦悶の表情に変わった。




ゴキ




激痛を左半身の神経が訴える




――え



左手薬指の第一関節が



あらぬ方向へ直角に曲がっていた
< 35 / 73 >

この作品をシェア

pagetop