時計兎
抱っこ
「だめかな…泊めてよ……」

今にも泣きそうな声と潤ませた目で言った。

救いを求めるように。



――まずい



久遠は逡巡した。


大統領がアパートに泊まるなんて聞いたことがない。

その命を狙ってる者にはまたとないチャンスだ。



――危険だ



早く彩夏を帰したほうが無難



早々と結論づけ、子供をあやすように言う。



「彩夏、帰ろ――」
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