時計兎
序章(4)
――え

わからない


少女は曲がった左手薬指を右手で探る


確かに直角に曲がっている

指は本来あった位置に戻ろうともしていない



――痛っ…



少女は激痛と苦悶の表情を浮かべ思索した



――きっと何かにぶつかったのだ



そう結論づけ、窓に向かった
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