Vrai Amour ~妃奈の場合~
何度かクリスマスパーティや年始の挨拶で集まったときに、妃奈を見かけた。


妃奈は年々きれいになって、他の誰よりも輝いてた。


でももう泣いてなかった。

だから僕は声をかけられなかった。

妃奈の周りにいる男たちに嫉妬してた。



どうかその時期が来るまで、誰のものにもならないで欲しいと願いながら背を向けた。






そして、大学2年のとき

母がお見合い写真を何冊が持って来た。

僕は妃奈しかいないと思ってたから、全部断った。

その中に妃奈の写真はなかった。

だから聞いたんだ、母に。

あの子は今どうしてる?って。

妃奈は今年高校3年生だ。

進路のことや、結婚の話だって来るに違いない、と思った。

母は妃奈を覚えていたことに驚いていた。

協力してくれるとも言った。

でも、僕は自分の力でなんとかしたかった。

だから、直接妃奈の母親に電話をかけたんだ。
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