Vrai Amour ~斗真の場合~
夏休みが明け、再び大学がにぎやかになる。

俺は美術講師のアルバイトとして大学に勤め始めた。

だが、いきなり近づいては怪しまれると1ヶ月は美空を観察することにした。

ルックスのせいか、生徒たちには怪しまれずに馴染むことができた。

そうして、ゆっくりと美空との距離を縮めていった。



幸運にも、いつしか美空は自分を見つめてくるようになった。

あとはもっと夢中にさせて、捨てればいい。

そう思いながら近づいた。




「美空」



放課後の美術室

美空は俺に会いたいがために、毎日放課後を美術室で過ごしていた。

カーテン越しに光が降り注ぎ、美空の横顔を照らす。

ここ1ヶ月見てきた美空は、本当にあの女の娘なのかと疑ってしまうくらい

真面目でおとなしい子だった。

凛とした姿勢でキャンバスに向かう姿は、なんだか有絵を思い出す。
< 26 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop