Vrai Amour ~斗真の場合~
俺は美空の後ろにゆっくりと回ると、耳元で優しく名前を呼んだ。


「・・・って、きれいな名前だね、桐島さん」

唇がくっつきそうなくらい近くまで顔を寄せると、美空は真っ赤になって体を引いた。

そういうところも有絵に似ていた。




有絵との初めてのキスも、教室だったな・・・・




震える肩を抱きしめて、そっとそっと唇を重ねるだけのキス




美空もあんなふうに震えるのだろうか・・・




「ああ、ここだけど・・・」




そう言って指先はキャンバスを指し、そのまま美空の唇にゆっくりと近づいていくと

遠くから足音が聞こえてきて、俺は美空の腕を掴んで窓際のカーテンの中に隠れた。
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