瞳の中の彼
第一章

高校入学

 “ ピピピピッ...”

「ん...ん!? やばっ!!」

桜川 葵(あおい) 15才 今日から高校1年生

寝坊してしまいました...


慌てて真新しい制服に着替える


「これでよし!!」


急いで2階の部屋から階段を駆け降り リビングのドアを開けた


「おはよう! 早くご飯食べな!」


桜川家 長男 理玖(りく)通称“りー兄” 19才 大学1年生


「入学初日から 寝坊してんじゃねぇよ!」


ちょっと無愛想な次男 楓(かえで) 15才 そう楓と私は双子の兄妹
しかも二卵性双生児 

楓が先に生まれたので一応お兄ちゃん。

双子なのに 楓は身長が 185cm 私は150cmと身長差35cmもある
ちなみに りー兄は 187cmとビッグ

私だけちっちゃい...

そしてお父さんとお母さんは北海道に出張中

1人では何もできないお父さん...だからお母さんも一緒に同行中

この家には 私達兄妹だけ

入学式には帰るって言っていたお父さん達だったけど 急な仕事が入って帰ってこれなくなった

だからお父さん達の代わりに りー兄 が式にでる

私と楓は来なくてもいいって言ったけど かわいい弟や妹の晴れ姿を見たいなんて おやじくさい事を言っているりー兄
 

「お前らに拒否権はねぇ」


なんてまで言う

つい最近自分も高校卒業したばかりなのに...


「楓! 葵! 早く車に乗れ 遅刻すんぞ!!」

「待って...りー兄」


私は急いで玄関を出で鍵を閉めた


「葵...顔に飯粒ついてんぞ」

「へっ!?」


楓がそう言うと 『ペロッ!』と私の頬を舐めた


「ぎゃーぁぁぁ!!」

「うるせぇなぁ! いちいち喚くなよ!」

「変態!..」

「なんだとコラァ!!」

「ひぃぃ...」


背が高い楓にはかなわない...首根っこをガシッと掴まれた

その時...


「お前ら いつまでも待たせんじゃねぇぞコラァ!!」


運転席から鬼のような顔をして叫ぶ リー兄...


「「怖っ!!」」


...元暴走族6代目総長 ...りー兄には逆らえません











< 1 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop