幸せの記憶

暗くなった会場で、
私は親戚の
おじさんやおばさんの顔を
覗き見た。

みんな
年はとっているものの、
見覚えのある顔が
若者の門出を
やさしいまなざしで見守っていた。

ふっと、見知らぬ女性がひとり。

親戚席に座っている。

だれだろう?

年齢は、私と同じくらい。
きれいな顔で、
うらやましそうに
新郎新婦に拍手を送っている。

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