俺だけの花嫁

「あれは…」



と言葉は出るがそれ以上は詰まって出てこない。
違うって言えるのか?

言い訳なんて到底出来るはずがない。



「春香さんにはキスしたくて、私には出来ないんでしょう…?」



涙を流す真琴に、反論出来なかった。

否定…出来ない。

あの時は確かに、春香にキスしようとしたのだから。

真琴のことだって…。

何も言えずにいると、耐えきれなくなったように真琴は立ち上がり出て行こうとする。



「真琴っ!」

「離してっ!」



掴んだ手を振り払われてしまう。



「春香さんが好きなんでしょう!?」



それは…。



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