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「ねぇ、なんでそんな密着してるの?」


学校につくと、さっきまでとはうって変わって、あたしと雄大の間は二人分は入る距離からうでと腕が密着するくらい近づいていた。


あたしたち二人が歩いていると言うだけでも、知り合いから見たら異様な光景なのに、これじゃあ誤解される。


「だって、俺ら付き合ってんじゃん?」


なんて、何度目かの言葉。

分かってはいるんだけど、なんだかしっくりこない。

今まで、そんな素振りすらなかったあたしたち。

会話だってしたこともないし。

初めて彼のことを知ったのはつい最近。

そんなあたしたちが、偽装だとしても付き合っていると言う感覚にはなれないし。


なんだかぎこちない。


「あれ、香織!!」


急に声をかけられた。

後ろを振り向くと、そこには同じグループの南がいた。


「あ、おはよ」

「おはよう。じゃないわよー!?
 なんであんたが、花木くんといるの??」


キャーと黄色い声が南の口から発せられる。


「もしかして付き合ってるの?」


南のキラキラと輝いた瞳。

なんだかその顔を見るのが心苦しいと言うか。

だけど、否定はできない。




「うん。そうなんだ」












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