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ポカーンとしながら頬を染めていく南。

それもそのはず。

今答えたのは、あたしじゃなくて雄大。

しかも、満面の笑みと照れたような顔で。

そんなのを目にしたもんだから、南の顔は真っ赤だ。


「え、でも、いつから??
 香織、男とか興味ないって感じだったじゃない」


たしかに。
つい先週までは、あたしは男と付き合うとか、そんなの考えてもみなかった。

むしろ、お父さんのことがあったからバイト三昧で、恋愛が面倒なもの。


そんなあたしを南は怪しげに見てくる。


「俺が恥ずかしくてさ、香織に黙ってもらってたんだ。
 冷やかせれたりとかで付き合いたくなかったし、俺と香織が付き合うまでは俺がアタックしてることは内緒ってことになってて」


「あ~そなんだ。

 …うん、たしかに香織は、口固いもんね~」



なんて納得をすると、南は先に教室へと向かう。


きっとあたしたちが教室に入ったら、噂の的だろうな。

南はお喋りだからな。


「俺ら噂の的だな」


なんて楽しそうに雄大が言うもんだから、あたしはどっと疲れた。


しかも今日はよりによって英文科の授業だし。

みんなに色々と聞かれるんだろうな。

そう思うと帰りたい気分になるけど、そんなことで単位は落としたくない。


あたしは踏ん張りながら教室まで向かう。

終始、雄大が寄りかかりながら。







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