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、かもしれない


きっと意識したのは、あたしだけだから。


その気持ちは、ひっそりと奥底に鍵を閉めて封印する。


もう出てこないようにと。









「香織、朝だよ…」

「え……」


寝ぼけながら声のする方に目を開ける。

香ばしい匂いとともに、雄大の顔があらわれる。


「…!!!!!」


あたしはビックリして、そのまま飛び起きた。

そんな様子を見て、雄大は笑うだけ。


あぁ、ほら…意識したのは、あたしだけ。

それもそうだよね。


昨日のが無かったみたいに、普通に振る舞う雄大。

部屋を出ていく雄大に続いてあたしも出る。

机の上には美味しそうなホットケーキ。


と、ケーキが乗っている。


「あ、それ…」


あたしが昨日もらってきたケーキだ。








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