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まるで、悪徳金融に騙された気分だ。

てゆうか、あの笑顔に騙された。


あたしとしたことが。


昔から、知らない人にはついついってはいけません。

って、教わってたのに。


大学生になって、松島香織、騙されるなんて、一生の不覚です。




「で、ここが、俺んち。」


3限の授業には出ることが許されないまま、あたしは花木くんの家へと連れられた。


大学から歩くこと10分ほど。

閑静な住宅街の中にある、可愛らしい橙のペンキが塗られたアパートに到着した。


「ここに、一人暮らししてるの?」

「そうだけど、なんか文句ある?」


あたしはブンブンと勢いよく首を横に振った。


「あら~、雄ちゃん!?」


家の中に入ろうとした瞬間、甲高い女の人の声が聞こえた。

振り返ると、くるくると巻かれた髪にじゃらじゃらとアクセを身に付けてるおばさんが立っている。


「あ~、川瀬さん、お久し振りです。」


さっきまで仏頂面だった彼は、あたしが一番最初に見た笑顔をおばさんに振りまいた。


猫被りすぎだろ!?

という突っ込みは、喉を通さずにそのまま飲み込んだ。






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