その告白、信じますか?
ありがとう

「あや―!」

みちるが走ってくるのが見えて、手をあげた。

「ごめんね、待った?」

「ううん。走らなくてもいいのに。」

肩で息をしながら申し訳なさそうに謝るみちる。

「明日も仕事だし、お酒はやめて、ご飯メインにしよっか?」

「うん‥あーお腹へった!」

息を整えながらみちるがお腹を押さえた。


合コンの前に一回飲みに行こうと言っていた約束。
それならば早い方がいいと、平日の仕事上がりに会うことになった。


「残業大丈夫だったの?」

「なんとか。明日がんばる。
綾と仕事なら、綾が大事だもーん」

笑いながらみちるが腕を絡めてきた。


「私はみちるの恋人じゃないんだからねー」

「ひどーい!私はこんなに綾を好きなのに‥」

泣き真似をしながらなおも腕を組み続けるみちるに、仕方なく腕を貸すことにした。


お酒は飲まないことにしたものの、結局よく行く居酒屋に入った。

いざメニューを前にすると‥

「居酒屋に来てウーロン茶じゃ物足りない‥」

みちるはずっとアルコールのページばかり見ている。
いや、正しくは梅酒の載っているところを凝視している。

「じゃあ一杯だけ飲んだら?」

「いいのー?じゃ、お言葉に甘えて♪」

結局、みちるはいつものよるに梅酒を頼んで、私はウーロン茶にした。


「かんぱーい!」

グラスを合わせ、並んだ料理を食べ始めた。


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