ミルフィユと猫被り



「学食食べに行かないの?A定なくなっても、ななのせいぢゃないからねぇ♪」



声の主は、幼なじみの梅田月華《うめだななか》だったなんて、焦りすぎて気付きもしなかった。


俺は内心大パニックで心臓なんか爆発寸前。


なんて答えたらいいかすら分からない。



「そぉそぉ♪放課後裏花壇の脇にきて!なな、待ってるからねぇ♪♪」



茫然と立たずむ俺一人を置いて、月華は教室を飛び出ていった。


それからは何も覚えていない、というか記憶にない。



気付いたときには放課後で俺の前で月華が告っていたんだから。


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