ミルフィユと猫被り


「別に俺、兄貴と話すことなんかねぇーし。あ、母さんに今日飯いらんってゆっといて。」



イライラする気持ちを下っ腹辺りに押し込んで、そっと視線をそらし2階へ向かう。



「俺はあるっつーのに!!分かった!先に話を着けよう!!」


「はっ―…!!」



俺が反論するかしないかのうちに、ラリアットを食らわせた兄貴は、そのまま首根っ子を捕まえ自室へと引きずり込んだ。



「ゲホッ…!まぢ、加減を知れ、バカ兄…!!」


「ごっ、ごめん!でもさ、やっぱ俺的に話つけたいし先に取られちゃ困るんだっつの!」



なぁんだ…月華のことか。


取るも何も両思いだしね、おめっとさん…。



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