ミルフィユと猫被り
「恭。お前、なんか勘違いしてね?俺は……」
「月華だろ?よかったぢゃん。今日代わりに告られてきといたぜ?」
俺は嫌味ったらしく、突き放して言い、部屋を出ていこうとする。
あぐらをかいていた兄貴はそのままの態勢で俺の片腕を掴み、上目遣いで座れと合図する。
「やっぱりな、お前変わんねぇもん。その早とちりなとこ。俺が狙ってんのは…
……桜空だし。」
は……?
俺は呆気に取られ、口を半開きにしたまま兄貴の目をじっと見据えた。