ミルフィユと猫被り



母さんは、俺と兄貴の頭をおたまで順番に殴ってため息を吐く。



「まったくもう!瞬と恭にお客さんきてんのよ。」


「は?こんな時間に?」



母さんの困り顔に俺は噛み付くように問う。



「月ちゃんと桜ちゃんよ。今日、お隣の奥さんと旦那さんお出かけしてていないんですって。だから、晩ご飯一緒に食べてね♪」



母さんは、ぱちんとウィンクしてウキウキと台所に入っていく。


俺と兄貴は、顔を見合わせて目を丸くした。


二人で思うことは一つ…


《最悪》だ―…



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