ミルフィユと猫被り
「ちょーっっと!遅いぢゃあんっ、こんなにおいしいカレーが冷めちゃうんですけど…!」
スプーン片手に頬を膨らませる月華は、足をじたばたさせて軽く怒っている。
「恭兄も瞬兄も、何してたの?慶乃ちゃん、怒ってんだけど。」
桜空はいつもの調子で冷静に淡々とした口調で話す。
慶乃《よしの》ちゃんとはうちの母さんで幼なじみの月華と桜空《こいつら》は癖のようにちゃん付けで呼ぶ。
いい加減ちゃん付けで呼ばれる年でもないだろうに。