ミルフィユと猫被り
「お前さ、アド教えたってあれ、どゆこと?」
「まさか、こんなに早く、作戦開始とか分かんないしうっかりいい忘れたっつーか…。」
へぇと兄貴は相槌を打って俺を見下した。
まるで、嵐の前の静けさのように部屋は、シ…ン、と静まり返っていた。
「お前、さ…」
「え?」
突然声をかけられた俺は、わけも分からずきょとんとした。
次の瞬間、Tシャツの首のところを横に掴み、そのまま腕で首を押さえられた。
俺は、軽く後ろに押され、壁と兄貴の腕に挟まれるようにして首を軽く絞められていた。
「俺が本気だ、って、知らないわけぢゃないだろ…?
好き勝手してっと、まぢに絞めっからな…」