ミルフィユと猫被り



「お前さ、アド教えたってあれ、どゆこと?」


「まさか、こんなに早く、作戦開始とか分かんないしうっかりいい忘れたっつーか…。」



へぇと兄貴は相槌を打って俺を見下した。


まるで、嵐の前の静けさのように部屋は、シ…ン、と静まり返っていた。



「お前、さ…」


「え?」



突然声をかけられた俺は、わけも分からずきょとんとした。


次の瞬間、Tシャツの首のところを横に掴み、そのまま腕で首を押さえられた。


俺は、軽く後ろに押され、壁と兄貴の腕に挟まれるようにして首を軽く絞められていた。



「俺が本気だ、って、知らないわけぢゃないだろ…?


好き勝手してっと、まぢに絞めっからな…」



< 42 / 100 >

この作品をシェア

pagetop