ミルフィユと猫被り




「聞かせろよ……。」


「いいの?恭は、聞きたくないかもよ…?」



俺よりも先に答えた兄貴に月華が食い付く。


兄貴は、首を振る。



「俺らがやったことは取り返しがつかねぇけど、お前らだって同じだ。それで恭が傷ついたら許さねぇけど、許す許さないの前に聞かなきゃ始まらねぇだろ。」



兄貴の力強い覚悟の声に、さすがの月華も何も言えなくなった。


そして、悔しそうに唇を噛み、拳を握り締めながらうつむく。


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