おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「どうした?」


「ん? 今何時かなあと思って……」


 ああ、そういう事か。


「右上に表示されてるだろ?」


「うん、そうだね」


 考えたら、有希は腕時計をしていない。寿司を食ってる時も、「今何時?」って聞いてきたっけ。あれから30分ぐらいしか経ってないのになあ……


「腕時計、買ってやろうか?」


 深く考えもせず、そんな言葉が俺の口から出ていた。有希のためなら、何でもしてやりたい。そんな気持ちの表れだろうと思う。


「えー? 要らないよ……」


「遠慮すんなって。その代わり安いやつな? 時間が解らないと不便だろ?」


「携帯を見るから大丈夫だもん」


 ああ、そうか。今の子って、何でも携帯なんだよな。あれ?


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