イジワル先輩の甘い恋の魔法



黒崎先輩は、やっぱりスマホを弄ってるだけで手伝おうとせず、文句を言うだけ無駄でムカつくから視界に入らないように無になってホッチキス留め作業を続けていた。


“パチン、パチン”とホッチキスの音だけが理科室に響いてる。



「…………たっ!」



間違って指にホッチキスが当たり、針が指に刺さってしまった。



「いったぁ……」



親指に刺さった針を抜く。


刺さった場所から血が出てきた。



「どした?」



声をかけてきた黒崎先輩。


黒崎先輩に言うと絶対に大爆笑されて“バッカじゃねぇの?”って言われる。



「な、なんでもありません」


「嘘つけよ」



黒崎先輩は椅子から立ち上がり側に来た。


側に来ないで!


黒崎先輩が私の指を見る。



「血が出てるじゃん」



そう言って、私の手を掴んだ。


“ドクン”と跳ね上がる心臓。


それが“ドキドキ”に変わっていく。




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