SEASONS【完】



彼が悪い訳じゃないのに、あたってしまう。


急な態度の変化に、彼は戸惑ったことだろう。


だけどうちは、そんなに出来た人間じゃない。


好きな人に彼女がいると知って、普通でいられる訳がない。


ただ、すぐに仕事の話しに戻ったためか、彼は否定も肯定もしなかった。



その日は、帰ってからいっぱい泣いた。


仕事中我慢していた涙が、帰ったとたん溢れだした。


告白して振られた時に、彼に対しての涙は出し尽くしたつもりなのに。


それでも、泣き続けた。




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