ピアノレッスン

「・・・なぜ、お逃げにならないのですか?」



なぜ・・・・?


「・・・伸也様のいらっしゃらないうちにお逃げになればいいではありませんか」


確かにそうだ・・・


だけど・・・


「私が逃げたら、秋月はどうするの?お兄ちゃんの命令なんでしょ?」


そう言って、秋月を見上げたらなぜか悲しい顔をしていた。


「確かに伸也様のご命令ですが、それだけで私がお嬢様に手を出すとお思いですか?」

「え?」

どういうこと?

「わからないのなら、お教え致しますよ」

そう言いながら、秋月の手が私の首筋の髪を避けた。

そこに秋月の顔が近づく。

首筋に当たる息が熱い。

それだけで私の体も熱くなっていく。
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