ピアノレッスン
私はもう一度ため息をつくと、立ち上がって窓の外を見た。

雲ひとつない小春日和の午後

庭園の真ん中にある東屋にお兄ちゃんと梨花さんがいるのが見えた。






・・・お似合い、だな。




お兄ちゃんは学校でもすごく人気があって、妹ってだけで鼻が高くて・・・・


じっと見つめていると、お兄ちゃんは笑顔で梨花さんを後ろから抱きしめた。


ドキンと胸が飛び上がる。


梨花さんは照れたように微笑み、顔だけ後ろに向けてお兄ちゃんにキスをせがむ。

ゆっくりと二人の唇が重なり、お兄ちゃんの手は梨花さんのウエストをなぞって胸元に重なった。





「!!!」



私は見てはいけないものを見てしまったと慌てて窓にカーテンをかける。
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