彼女志願!
「――穂積さん」
「なんです?」
「あの……ふれてもいいですか?」
「――はい?」
「穂積さんにさわりたいです。すごく」
「……今以上に?」
からかうような声が頭上から響いて。
『今以上に』というのはどういうことかと顔を上げると
なぜか私は、しっかりと穂積さんの背中に腕を回し、抱きついていた。
「――わっ!!!!」
私ったらいつの間に!?
慌てて上半身を起こす。
「――なんというか……作家というのは、こちらの常識の範囲では動かない人種ですね」
少し呆れたような口調で、穂積さんは切れ長の目を細める。