彼女志願!

「――」




シン、と静まり返る部屋。



それから


クックックッ……


忍び笑いが聞こえて、ゆっくりと穂積さんの唇が離れていく。



そして「あはははは!!!!!」



穂積さんが大爆笑を始めた。



な……なに!?



とまどいつつも呆然と穂積さんを見上げていると――


穂積さんは中指で眼鏡を押し上げ

そして、バニラの香りがする指先で、私の頬の上をなぞる。



私の目の端からこぼれた涙をぬぐうように。





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