彼女志願!

「よかった」



穂積さんはホッとしたように微笑み

確実に人生最高に不細工間違いなしの私の顔を両手で包み込むと、頬を傾け、そっと、触れるだけのキスをした。



触れ合った唇は、ものすごく熱かった。

頬に置かれた彼の手のひらの熱よりも、もっと、ずっと、熱かった。



唇が離れて

目を開ける。



私を見つめる穂積さんは、何度か瞬きをしたあと、花がほころぶように笑った。



「待つ恋愛なんて初めてですから、ちょっとワクワクしますね」



私は死ぬほどショックを受けたというのに、穂積さんなんだか楽しんでるし……


もしかしたら穂積さん

けっこう変わってる?



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