彼女志願!
目を閉じて十秒もしないうちに、穂積さんから穏やかな寝息が聞こえてくる。
よっぽど疲れてたんだろうなぁ……。
ねぇ、穂積さん。
私がさっき「違う、そうじゃない」と言ったのは急なことに驚いたからなんですよ。
心の中で話しかけながら、じっと、穂積さんの寝顔を見つめる。
いや、でもさっきのだって、穂積さんの冗談かも……。
死ぬほど疲れてたふうなのに、そんな気分になるはずないし。
そんなことをくるくると脳内で考える。
彼の腕から抜け出し、お布団をなおして、セルフレームの黒縁眼鏡を外し、テーブルの上に置く。
「ゆっくり休んでくださいね……」