彼女志願!

「――後悔しても、だめですよ……」



そして穂積さんは、私の手を頬から離すと、そのまま手のひらにキスを落とした。



「後悔……?」



とたん、穂積さんの唇が、私のまぶたに押しつけられる。



「今後、萌の気が変わって、その時いくら泣いていやだと言っても……もう、離さない」



どこかせっぱ詰まったような、吐息混じりの声で穂積さんはささやく。


それから舌先がかすかに動いて、目の端に残っていた涙がすくわれるのを感じた。




「気が変わることなんて、ないのに……」



彼の唇に翻弄されながら、目を閉じる。





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